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【世界移行期】(21)第3部 通貨危機の教訓(2)不信広げたコンセンサス

WorldRich.net 09-07-17

   米国の首都ワシントンの中心、ペンシルベニア通りにはホワイトハウスや米財務省と並んで、国際通貨基金(IMF)が本拠を構えている。第二次大戦末の1944年に発足して以来、戦後のドル金本位制のもとで為替レートの安定を維持する役割を担ってきた。

 ただし、71年の金.ドル交換停止(ニクソン.ショック)により、その役割はすでに終わっている。

 80年代以降は、レーガン政権による「小さな政府」の採用と米ソ冷戦終結を受け、米国流資本主義を途上国に広げる「ワシントン.コンセンサス」を推進する使命を担ってきた。

                   ◇

 財政赤字の是正、税制改革、金利の自由化、貿易自由化、国営企業の民営化、規制緩和など、IMFが米国政府との合意に基づいて途上国に提示した経済政策の処方箋(せん)を総称して「ワシントン.コンセンサス」と命名したのは、米国の有力シンクタンク.国際経済研究所(IIE)のジョン.ウィリアムソン研究員だった。冷戦が終わった89年のことだ。


 97年のタイ.バーツ暴落を契機とした東アジアの通貨危機で、IMFはこのコンセンサス(合意)に基づく利上げや財政緊縮をアジア各国に押しつけ、逆に不景気に陥れた。


 東アジアに膨大なドル資金を投資したウォール街の利益を優先させるため「不足するドル資金を大量に供給する」という本来やるべき仕事を「危機の初期からほうり投げた」…。ノーベル経済学賞を受賞した米プリンストン大学のポール.クルーグマン教授はこう指摘する。


 インドネシアの首都ジャカルタでは98年1月15日、当時のスハルト大統領がカメラの放列を浴びながらIMFとの合意文書に署名した。横に立ち、腕を組んでその姿を見下ろしていたのはIMFのミシェル.カムドシュ専務理事である。




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