海外勢が欧州CDS拡大国債買いか債券市場で観測広がる

WorldRich.net 10-08-12 ロイター

  カネ余りを背景に急ピッチで低下する日本国債利回り。その一因として、くすぶり続ける欧州不安に絡んだ投機ポジションが影響しているのではとの観測が、債券市場で取りざたされている。
 

 12日の東京債券市場で、長期金利の指標銘柄である10年国債利回りが一時、前日より0.030%低い0.980%となり、2003年8月14日以来、7年ぶりの低水準を更新した。一方、5年国債利回りは同0.030%低い0.295%と、日銀補完貸付(ロンバート型貸し出し)金利を割り込んだ。


 背景には「大手銀行の一角が、ここもと数兆円単位で中期債購入に踏み切った」(外資系金融機関)ことがある。


 財務省が16日発行する5年物国債(90回債、15年6月20日償還)は、参加者が投資判断の目安にする表面利率が、年0.3%と03年8月以来の低水準となったが、応札倍率が4.68倍と05年4月以来の高水準に達し、市場で「予想以上の結果」(ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジスト)と評価された。


 企業向け貸し出しの低迷によるALM対応に加えて、一部で「海外がスペックで買っているのではないか」(邦銀)との声も出始めている。「欧州諸国をめぐる財政金融問題は根深い。海外投資家が欧州諸国のクレジットデフォルトスワップ(CDS)の拡大方向に賭け、その一方で日本の中短期国債を購入している」と、前出の邦銀関係者は指摘する。


 財務省が公表している対外及び対内証券売買契約等の状況(週次指定報告機関ベース)によると、海外勢は7月4日の週以降、日本の中長期債を数千億円ずつだが、買い越している。


 三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは「債券投資をめぐり世界で国の選別が進む中、日本は選好される側になっている」と話す。 


 中国の政府系シンクタンクである社会科学院のエコノミスト、Zhang Ming氏は11日公表のリポートで、中国が記録的な額の日本国債を購入した理由について「少なくとも短期的には米国債よりもリスクが低いため」としている。市場には「相対的に円資産が買われる構図が鮮明になってきた」(英系金融機関の関係者)との見方もある




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